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刑事とJK
第5章 小犬

「…どっか、屋根のある場所に行こう」
オレは
横幅の広い、大きな滑り台の下へと
ゆうひを促した
ゆうひはおぼつかない足取りで
歩いてくれた
滑り台の下に座り込む
『なんで…?』
か細い声で、ゆうひは言った
「どうした?」
ゆうひは後ろに頭をもたれさせながら
どこも見ずに
どこかを見ていた
『なんで昨日…来てくれなかったの…?』
なんとか聞き取れるくらいの声量だったが、
その意味がいまいちわからない
『小犬はきっと…エアガンで撃たれたんだよ
…逃げても逃げても、追い回されて…
いっぱい、撃たれたんだ
人の遊びで…的にされてぇ…』
ゆうひは泣きながら続ける
『どんだけ…斉藤にいてほしかったと思ってんの…?
弱いもん助けるのが…あんたらの仕事じゃないの…?』
「…ごめん」
ハッとして、ゆうひは首を横に振った
『違う、ごめん…なんでもないの
あの時は、あたしがなんとかしなきゃ
いけなかったんだ…』
ゆうひは泣き止んだ
しかしその目は
後悔と怒りで澱んでいた

