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刑事とJK
第5章 小犬
「…埋めてやろう」
斉藤は立ち上がると、
小犬のほうへ歩いて行った
ゆうひも、後をついて行く
斉藤は小犬を抱えると、
辺りを見回した
「あの辺がいいか」
そう言ってぶらんこの奥の茂みに入って行くと、
斉藤は小犬を下ろし、
素手で地面を掘り出した
『爪…割れちゃうよ?』
ゆうひは後ろから、
心配そうに斉藤を見つめる
「雨で土は柔らかくなってるからな、平気だ」
そう言いながら、
一心に掘り進める
『…あたしも…』
ゆうひも一緒に
地面を掘ろうと手を伸ばした
しかし斉藤は、その手を止める
「やめろやめろ、
せっかくきれいな手ぇしてんだから」
『でも…』
「いいから、ちょっと待ってろ」
ゆうひはシュンとした
何か出来ることはないかと公園に目を向け、
走って傘を取りに行き、
それを斉藤の上にさしてやった
突然雨が当たらなくなったので、
ふと見上げると
ゆうひは笑っていた
「おい、オレはいいから自分にさしとけって」
斉藤は傘をぐっと押し返す
『じゃあこうする…』
ゆうひは足を斉藤の背中にぴったりくっつけて、
二人して傘に入った
「…好きにしろ…///」
雨はなかなか
降り止まなかった