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刑事とJK
第51章 さよなら
次の日は、会わなかった
会ったところで
どうしようもなかったから…
斉藤は、段ボールに荷物を詰めていた
あまり荷物が多くなかったので、
案外あっさりと出立の準備は出来た
「先輩?
何してるんすか?」
「おうシゲ
お前の荷物、全部こっちの机に運べ」
「へ?」
「いいから
さっさとしろよ」
斉藤は、シゲの机に置いてある書類やペン立てを
自分の机の上に乗せていった
「え、え、え?」
今度は机の引き出しの物を取り出していく
「な、何なんですか先輩…!?
何を急に…!?」
斉藤は引き出しの中の資料をボンッと置くと
言った
「明日から、この部屋はおめぇのもんだ」
「…え?
待って下さいよ、先輩は…どうするんですか?」
「オレは昇進だ」
「へ…?
そうなんですか!!?
おめでとうございます、先輩!!!」
シゲは嬉しそうに笑った
そんなシゲに、斉藤は微笑する
「先輩は、どんな位置につくんすか?」
「刑事課室長だ」
「ええ!!??
一気に大出世じゃないっすか、
すごいっすよ!!!
…じゃあ、中島さんは退職っすか?」
「いや…
オレは〇県の刑事課に行くことになった」
「…え?」
シゲは自分の耳を疑った
「…〇県だなんて…めちゃめちゃ遠いじゃないっすか…
じゃあ…先輩とはもう…」
「しばらくは、会えねぇな」
「そんな…」
シゲは一瞬俯いたが、また顔を上げた
「そんなの嫌ですーーーー!!!!!!」
馬鹿でかい声は
刑事課室中に響き渡った
「うるっせぇよ」
斉藤は耳を塞いでいる
シゲは…涙目になっていた