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刑事とJK
第56章 夢
―――――――――――
「ありがとうございました、
またお越しください」
そんな店員の声が耳を通り抜ける
斉藤はゆっくりとした足取りで、宝石店を出た
「…はあ…」
思わずため息をついてしまう
チラッと
手に提げた小さい紙袋に目をやる
「…買っちまった…」
そう、この袋の中には例のものが入っている
これのために金を貯めに貯め、
ようやく購入できた
本当に高かった…
しばらくは倹約生活だな…
で…
いつ渡そうか…?
どこで渡そうか…?
どんな状況で渡そうか…?
ゆうひは、受け入れてくれるだろうか…?
そんなことを考えてる間に、
自分のマンションに着いていた
「…」
まぁ、とりあえずどっかに仕舞っておくか…
鍵を開け、
部屋の中に入った瞬間…
『斉藤お帰り!!』
いきなりゆうひがハグしてきた
「うおっ!!
何でいんだよ!?」
『も~、お馬鹿さん
今日は斉藤の誕生日だよ』
「え?」
今日は、4月29日
…すっかり忘れてたな
…28かよ
『だから、お誕生日おめでとう///』
ゆうひは斉藤の両肩に手を置いて
軽くキスした
「///」
『でさ、どこ行ってたの?
何か買ってきたの?』
ゆうひは斉藤が持っていた紙袋に目をやった
「び、鼻炎の薬だ、コレは!!」
慌てて後ろに隠す
『花粉症?』
「いいから、さっさと中入んぞ」
斉藤はゆうひの背中を押した
『は~い』