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刑事とJK
第62章 告白して
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「ゆうひ…」
綺麗な顔をしたゆうひは、
もうかれこれ一週間、目を覚まさなかった
斉藤は毎日のように
仕事終わりに見舞いに行くが、何も変化はない
斉藤は椅子に座った
何も無いよりは、と思って
その日にあったことを話す
「今日は吉川とじゃんけんして勝ったから、
昼飯おごってもらったわ。
おめぇはそんな血管から物食ってうめぇのか?」
斉藤は、ゆうひの腕に繋がった点滴を眺めた
「すっげぇまずそうだし…
今度は一回、オレが飯作ってやんよ
実はまあまあ作れんだぞ?」
呼吸で胸だけが上下に動くが、
あとはピクリとも動かない
「ってかよぉ、そろそろ目ぇ開けても
…いいんじゃねぇか…?」
顔色はいい
だから、今にも目を覚まして、
笑いかけてくれる気がした
「一人でしゃべんの…結構…飽きてきたし…
返事がねぇと、オレかわいそうな子じゃねぇか…」
斉藤はゆうひの手を握った
「目ぇ覚まさなかったら…オレ…
おめぇに渡せねぇだろ…?」
お前に渡すための…
指輪…
「…」
オレ、ゆうひと出会って弱くなったな…
ここ何日かで、
なんべん泣きそうになったか…