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刑事とJK
第69章 敵に塩を送る
「やあ、久しぶりだね
元気?」
「普通かな」
清隆が尋ねると、
舞はほほ笑んだ
「そういえば、結婚したんだよね
おめでとう」
「…」
舞は何も言わなかった
清隆には、そんな舞が悲しそうに見えたので
話を聞いてやりたくなった
「どっか座る?」
「…」
舞はコクッと頷いた
何歩か歩いて、
清隆は木で出来たベンチに座った
舞も、ゆっくりと隣に座り、
自分から口を開いた
「…武志、死んじゃったんだよね」
「え!!?
武志って、舞の婚約者だった…!?
どうして…」
「あたしを想ってくれていた人に、殺されたの
武志にはあたしを幸せにできないんだってさ」
「そんな…」
言葉のかけようがなかった
「…まぁでも、確かに今思ってみれば
そうなのかもしれない…
武志よりは、まだ清隆の方がいい男かもね」
「そんなこと、ないって…」
「あたしが思ってるだけだから。
ねぇ清隆…歌って…」
「…」
清隆は、またギターを構えた
―――――――君へお祝いを
って思っていたけど
僕にはグラスもシャンパンもプレゼントさえもなかったよ
気持ちはあるよ
山を越すほど
気持ちはあるよ
海を渡るほど
でも形で示さない限り君は笑ってくれないよね
ずっとそうだったように
これからもそうだよね―――――