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マイバトラー
第2章 パーティー
ホテルのパーティー会場に着くとそこには溢れるくらいの人。
これだから苦手なんだよね。
小さくため息を吐き出すと、口角を上げ笑顔を作り、今日はエスコート役らしい村上の腕に手を絡め、中へと歩き出す。
あぁ…。視線が痛い。
お隣のエスコート役の男性のおかげで。
特に女性の視線がね。
挨拶をしてくる人に次々と挨拶を返す。
村上も何かを言われては何かを返していて、なんだか場慣れしている感じだった。やっぱりただ者ではない村上だけど、彼ならこういう場でも上手く対応するであろうことが予測できたので全く違和感がなかった。
「あぁ!美緒ちゃん!」
「おじさまお久しぶりです!」
「ちょっと見ない間にまた綺麗になったね」
「またまたおじさまったら。ありがとうございます。そう言えば沙羅は?今日は来るって聞いてたのに見つけられなくて」
「今日になって体調が悪いと言い出してね」
……沙羅のやつ逃げたな。仲良しの沙羅が来るって聞いてたから来たのもあったのに!
「村上くんもがんばっているようだね」
「お久し振りです。市川社長。いえ、まだまだです。もう少し勉強をしなくてはお役に立てません」
「いやいや、花村くんから君の優秀ぶりは聞いてるよ」
どこかのご令嬢に捕まっていた村上が戻ってくると、おじさまが気付いて話しかけていた。
知り合いだったのね。パパの仕事を手伝っているのは知ってたけど。本当に謎だらけ。
もうちょっと聞き耳を立てていようと思ってたけど、あたしも別の人に話しかけられてその後の会話は分からなかった。