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マイバトラー
第2章 パーティー
「いいスピーチだったよ。ところで、お父さんの具合はどうだい?」
「ありがとうございます。父はおかげさまでリハビリも順調に進んでます。復帰したら祖父と会長の席を代わるみたいです」
父と先代の社長は公私ともに仲のいい関係だったらしい。その先代が、昨年末に脳梗塞で倒れたと言う話を聞かされていた。
「それは良かった。優斗くんも突然だったから大変だと思うけど、いつでも頼ってくれ。君のお父さんにはお世話になっていたんだよ。あぁ、それと会うのは初めてだったかな?」
あたしの背中に手を回し紹介する。
にっこりと笑顔を作り、出来るだけ丁寧にお辞儀をする。
「初めまして。美緒です」
「初めまして。噂には聞いてましたが本当に綺麗なお嬢さんですね」
社交辞令にも笑顔で返す。
パパとあたしを交互に見るこの男は先ほどの若社長。
「優斗くんはいくつになったんだっけ?」
「今年で26になります」
「あら、いい歳じゃないの。優秀でイケメンで女の子も選び放題ねっ」
ママはいつでもどこでもミーハーなのは変わりないんだね。
呆れつつも笑顔は崩さない私はお嬢様の鑑だろう。
「いえいえ、そんなことないですよ。あぁ、後でよろしければ美緒さんとお話させていただいてもよろしいですか?」
「もちろんよ!どうぞどうぞ、ねっ、美緒!」
え?待って!話が読めない。
「ちょ…ママ」
「いいからいってきなさい!イケメンよ!」
小声で反論しようとしたのに押しきられる。
笑顔をつくるしかないあたし。