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マイバトラー
第2章 パーティー
挨拶周りを一通り済ませると、村上と共にテラスに出た。
「はぁ~生き返った!」
新鮮な空気を思い切り吸い込む。
会場の人混みから解放されて落ち着く。
すると、後ろから深いため息が聞こえた。
「お嬢様はもう少しご自分を分かられた方がよろしいですね」
いつもと違う少し低い村上の声に驚いて振り返る。
無表情な顔で見つめられる。
「え?」
何を言ってるのかわからない。
それにさっきまでの雰囲気とちがって戸惑う。
突然手を引かれテラスの端まで連れていかれた。
今日の村上こんなのばっかで、あたしの頭はついていけない。
訳がわからないあたしを気にかける様子もなく、やっぱりと言うか案の定と言うか口を塞がれる。
でもさっきみたいに優しくなくて…
「んんっ!」
荒々しく当てられる熱い唇。無理矢理捩じ込まれる舌に呼吸をする暇さえ与えられなくて苦しくなる。
背中と頭を抱き込まれ身動きも取れない。
なんだかわかんないけど、そんな村上が嫌で。
そんな風に乱暴な扱いをされるの嫌で。
気付けば涙が溢れていた。
いつだって強引だけど、優しく触れてくれていたから、こんな風にされるのは初めてだった。
「…申し訳ありません」
あたしの涙に気付き唇を離した村上は、そう言うと傷付いたような顔をしている様に見えて。
なんだかチクリと胸が傷んだ。