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マイバトラー
第2章 パーティー
「美緒さん!遅くなってすみません」
「いいえ」
待ってないけどって言う本音を押し殺して笑顔を向ける。
会場の隅にあるソファーに腰を下ろしていたあたしも立ち上がり、若社長の前に向き直る。
「ここは人が多すぎるので、過ごし外で話しませんか?」
会場よりは人が少ない、庭の方を指していた。
「えぇ。少し席を外すわね?」
「かしこまりました。宗次郎様のお側でお待ちしております」
村上の様子にほっとした。さっきあんな事言われたばかりだし。
隙を見せるなって男の人と二人の時には気をつけろってことでしょ?
その位あたしだって分かってるんだから。
「では失礼」
村上に軽く会釈をし、エスコートする様にあたしの腰に手を当て歩き出す。
それに合わせて歩き、庭に出た。
会場についた時はまだ明るかったのに、既に日はすっかり沈んでいた。
ライトアップされた噴水の前には、数席の椅子とテーブルが並べられている。
空いている席に近づき、引いてもらった椅子に座る。
「さぁ、ここなら人も少ないし気楽に話しましょうか」
気楽と言っても、どの程度崩していいのか。
曖昧な笑みを返してしまう。