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マイバトラー
第2章 パーティー
「俺も普段と同じように話すから、美緒ちゃんもいつもと同じようにして?敬語もいいから。」
『俺』って。『美緒ちゃん』って。
いきなりそんなに崩すもんなの。
ニヤっといたずらっ子みたいに笑うから、つられて笑ってしまう。
「わかった」
「良かった。その笑顔の方がずっといいよ」
「廣瀬さんも今の方がいいよ」
あたしの言葉に少しだけ眉を寄せる。
「優斗」
「え?」
「俺の名前。優斗って呼んでくれない?歳もそんなに変わらないだろうし。なんだか今日一日で名字と社長って呼ばれ方されてばっかだったから息がつまっちゃって」
あぁ。それは分かる気がする。
今日ここにいる人はみんな『会社関係』の人で。
たまにしかパパの会社の名前を背負って前に出ないといけないことはないけど、そんなたまにですら息が詰まるのに。
「優斗さん」
「うん。美緒ちゃんにはそう呼んで貰えると嬉しい」
笑うと垂れる目尻が可愛い。
可愛いなんて、歳上でしかも有名企業の社長に思うのも失礼かもだけど。
それから他愛ない話しをした。
仕事がない時は何をしてるやら、趣味は何やら。
映画の好みが似ていることで盛り上がった。
多分社長をしていると言うこと意外は他の同じくらいの年齢の人と変わりないんだろうと思った。
同じくらいの歳の村上はあたしといる時以外、何してるのか全く想像がつかない。
だから優斗さんの話は新鮮だった。