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ここで待ってるから。
第1章 年下従兄弟。
「橙子さん、飲みすぎだよ。」

 金曜日会社の恒例飲み会から部屋に帰ると、同居人が介抱しながら苦言。
 玄関入ってすぐに、足元から崩れ落ちる。
 極度の眠気。

「な、なつぅ…眠い…。」

「…とりあえず、ベッドに行こう?」

 同居人、夏に抱えられ自分の部屋に抱えられる。
 ベッドに寝かされ、スーツを脱がされる。
 ブラウスやストッキングも手際よく脱がされ、下着姿にされる。

「…橙子さん。」

 朦朧とした意識の中、夏が私を見る。
 
「ごめんね。」

 何を謝ってるのかな?
 唇が震えている。
 前髪が顔を隠して、表情が見えない。

「夏?」

「やっぱり、無理…。」

 夏の冷んやりとした手が、火照った肩に触れる。長い綺麗な指先が、ブラの上から乳房をそっと包み込む。

「…恋人がいてもいいから…。身体の関係でもいいから…橙子さんの側にいてもいい?」

「…夏…。それは…。」



 二週間前。

 従兄弟が東京で生活したいからと田舎から出てきた。大学を卒業し、東京の友人の会社に就職をした。とりあえず、親戚同士の付き合いは深くおばや母に頼まれ空いている部屋で同居する事になった。

「橙子さん。お久しぶりです。」

 田舎から出てきた夏を駅まで迎えに行く。
 目の前に、すらっと背が高いイケメンが立っている。

「夏、君?」

「はい。今日からよろしくお願いします。」

「最後に会ったのは、夏君が高校生だったかな?」

「そうですね。五年前かな。」

「そっか。おじさん、おばさんは元気?」

「はい。よろしくって言ってました。」

「あ、荷物受け取っといたから。あとで、荷解き手伝うね。」
 
 マンションに帰り、玄関脇の空いている部屋に案内する。荷解きを手伝う。ダンボール七箱には服と難しそうな本が入っていた。
 使っていなかった本棚に収め、クローゼットに服を入れる。

「橙子さん、ありがとう。助かりました。」

「難しそうな本が一杯ね。」

「就職先の出版社の本です。大学時代の先輩の会社で、少人数でやってるから助けて欲しいって。就職難の時代にありがたいです。」

「そっか。さてと、今日は就職祝い兼上京祝いで飲みに行こうか?もちろん、私のおごりね。」

「はい。お言葉に甘えて。」

 二人は出かける用意をする。



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