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ここで待ってるから。
第6章 未来の迷図。
 カサカサ。

 すぐ側で紙を整えたり、閉じられる音がする。

 間接照明の明かりを頼りに、周りを見渡す。
 あのまま、ソファで寝てたんだ…何の音?
 上体を起こし、フッと横を見る。

「起きたか。」

 涼介がローテーブルの上で書類の整理をしていた。胡座をかいて、資料にペンを走らせる。

「…涼介、おかえり。ごめん、寝てた。」

「ん。まだ、仕事が残ってるから。…ベッドに行っててもいい。」

 よく見ると身体にタオルケットがかかっている。
 涼介がかけてくれたんだ…。
 そんな、小さな事が嬉しくて涼介に微笑む。

 ペンを置き、私の頬を撫でる。
 その手の大きさと温かさにうっとりする。

「…橙子。煮物、美味しかった。ありがとう。」

 そんな言葉を涼介が言うなんて思わなかった。
 くすぐったくて、少し恥ずかしい。

「ここで、寝ていてもいい?」

「ん…。」

 涼介はまた、書類をいじり始める。その横顔に明かりが当たり、形の良い鼻や唇を映しだす。私は涼介のどこが好きなのか考える。

 顔か、性格か、身体か。

 顔は確かにいい男だと思う。喋らなければ。
 私に対してか結構、命令的な感じがある。嫌じゃないけど、やっぱり優しい言葉や甘い言葉で囲まれたい。

 性格は仕事も私生活も安まる所があるのか、心配になるくらいピリピリと神経を張り詰めて、攻撃的で案外寂しがり屋の気がする。
 セフレが何人いるやら。
 人の温かさや、関わる事が大好きな癖に平気で辛辣な言葉を並べる。
 優位に立ちたい雄。
 がっつり、肉食。

 身体は背も178㎝と高い。152㎝の私からしたらスラッと高く、羨ましい。
 時々、ジムなんか通ってるから痩せすぎではなく程よく筋肉なんか付いている。
 
 …今、冷静に考えると付き合い出したのは私には無いものが多くて、心の隙間を埋め込むピースの一つだったのかもしれない。

 そんな事を静かに考えていると、またうつらうつら睡魔が襲う。涼介の背中を見ながら、夢の中に誘われる。



 目が覚める。

 時計は深夜三時前。

 ベッドの上で涼介に抱きしめられながら、横になっていた。
 私のまつげに、涼介の吐息がかかる。
 その唇に指を当て、静かになぞる。

 私を抱きしめる力が強くなる。
 そこにあるのは小さな安息。


 




 
 


 

 

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