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ここで待ってるから。
第8章 眺めの良い場所。
なんと言う子供みたいな発言。
思わず、大笑いしてしまった。
「なんで笑うんですか。本気ですよ、俺。」
夏は不貞腐れて、冷蔵庫から缶チューハイを一本取り出し自分の部屋に入っていった。
可哀想な事をしたかな?
そんな事を思いながら、明日の用意をはじめる。
朝一の新幹線に乗り、在来線にバスで約四時間半。長旅の中、なんとか十時過ぎに実家に着く。
「おかえり、橙子。夏。披露宴は何時から?」
「えっとー、夕方五時からだから三時に出れば余裕。」
私は自分の部屋に荷物を持っていく。母は玄関脇の和室を開け夏の荷物を待つ。
「夏は今日は和室の客間ね。」
「はーい。あ、おばさん。俺が橙子さん送るよ。車、貸してね。」
山の中のど田舎で、街に出るには車で一時間半。街と言っても駅前だけ。
何十年と変わらないな。
変わったのは自分の方。
自分の部屋は多少、余計な荷物があるけどほぼ同じ。
この部屋で高校卒業まで生活をしていた。
今日、結婚するのは新郎新婦共に高校までずっと一緒だった、友人。
甘酸っぱい思い出が…新郎に至っては、私の初めての相手だったりする。
今回の披露宴も断わろうとしたけど、そんな理由で断るのも大人気ないなと。
簡単に荷物を解き、リビングに向かう。
大きなコタツに既に夏がはいって、お茶を飲んでいる。私も夏の向かい側に入り、手土産のお菓子に手を伸ばす。
「…ねぇ、橙子。今日、結婚するのって友恵ちゃんと祐希君なの?」
母は台所で私に声をかけてくる。
「うん。なんで?」
「あんた、祐希君と一時、付き合ってなかったっけ?」
…胸の奥がチリっと痛む。
夏が私をみつめる。
「…付き合ったけど、一か月続かなかった。」
高校二年の春。
小さな頃から一緒だった祐希に告白され、かと言っても周りにデートする場も無くお互いの家に行って、勉強したり音楽聴いたり。
「良く家には来てたよね?さて、ちょっと町内会の集まりがあるから、行ってくね。昼までには帰ってくるから。」
私の分のお茶を淹れ、母は出て行った。
また、何故夏と二人きりになる時に爆弾投下するわけ?
「橙子さん、元彼の結婚式なんだ?」
絶対、突っ込んでくると思った。
「…そうだけど?」
「…橙子さんの初めての相手?」
小さく溜息をつく。
思わず、大笑いしてしまった。
「なんで笑うんですか。本気ですよ、俺。」
夏は不貞腐れて、冷蔵庫から缶チューハイを一本取り出し自分の部屋に入っていった。
可哀想な事をしたかな?
そんな事を思いながら、明日の用意をはじめる。
朝一の新幹線に乗り、在来線にバスで約四時間半。長旅の中、なんとか十時過ぎに実家に着く。
「おかえり、橙子。夏。披露宴は何時から?」
「えっとー、夕方五時からだから三時に出れば余裕。」
私は自分の部屋に荷物を持っていく。母は玄関脇の和室を開け夏の荷物を待つ。
「夏は今日は和室の客間ね。」
「はーい。あ、おばさん。俺が橙子さん送るよ。車、貸してね。」
山の中のど田舎で、街に出るには車で一時間半。街と言っても駅前だけ。
何十年と変わらないな。
変わったのは自分の方。
自分の部屋は多少、余計な荷物があるけどほぼ同じ。
この部屋で高校卒業まで生活をしていた。
今日、結婚するのは新郎新婦共に高校までずっと一緒だった、友人。
甘酸っぱい思い出が…新郎に至っては、私の初めての相手だったりする。
今回の披露宴も断わろうとしたけど、そんな理由で断るのも大人気ないなと。
簡単に荷物を解き、リビングに向かう。
大きなコタツに既に夏がはいって、お茶を飲んでいる。私も夏の向かい側に入り、手土産のお菓子に手を伸ばす。
「…ねぇ、橙子。今日、結婚するのって友恵ちゃんと祐希君なの?」
母は台所で私に声をかけてくる。
「うん。なんで?」
「あんた、祐希君と一時、付き合ってなかったっけ?」
…胸の奥がチリっと痛む。
夏が私をみつめる。
「…付き合ったけど、一か月続かなかった。」
高校二年の春。
小さな頃から一緒だった祐希に告白され、かと言っても周りにデートする場も無くお互いの家に行って、勉強したり音楽聴いたり。
「良く家には来てたよね?さて、ちょっと町内会の集まりがあるから、行ってくね。昼までには帰ってくるから。」
私の分のお茶を淹れ、母は出て行った。
また、何故夏と二人きりになる時に爆弾投下するわけ?
「橙子さん、元彼の結婚式なんだ?」
絶対、突っ込んでくると思った。
「…そうだけど?」
「…橙子さんの初めての相手?」
小さく溜息をつく。