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セルフヌード
第1章 秘密の快楽
「あんたみたいな美人を見るのが一番イヤなの!大した努力もしないで評価されて、人を見下していたって愛される……顔が美しいって最高の処世術だわ。その上、私みたいなブスなんて、どうせ人間じゃないんでしょ。だから今日だって遠慮なく話しかけられたんでしょ。化粧品一つ買うのだって……、店員は自分の顔を私に見せつけてくる。同じものを使ったって私のようにはなれないのだと、暗に私を見下すの。こんな顔じゃなくて良かったって、胸を撫で下ろす材料にするの。友達だって同じ。私が無害だから仲良くしてくれるの。優しいだけが取り柄で結構。大人になれば不自由しなかった。だから、──…っ」
どこからか入り込んできた春風に、美優の腕が包まれた。
心細かった胸が、春色の抱擁に抱き込まれる。
「ぁっ……ああ……」
「みゆさん」
春風ではない。なつみの腕だ。
「まじ可愛いよ。今のウケた。ネガティブも度が超えるとギャグだけど」
「ふざけ、ないで……離して!警察呼ぶ!離して!!」
ひぃっ、と、また、喉からおどろおどろしい青がこぼれた。
柔らかなものに耳の腔を塞がれた。
一瞬、ほんの一瞬だけ、美優に怖ろしいほどの顫えが走った。なつみの唇によって。