この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セルフヌード
第8章 *最終章*セルフヌード





 集中治療室を出た翌朝、総子はなつみの泣き腫らした顔をからかい、そして問うたという。



 …──貴女を庇って私が死んだと聞かされて、泣くほどの気持ちになったでしょう?



 それから総子は、なつみの安堵を指摘した。



 …──美優さんに、なつみならどちらの気持ちを味わわせたい?



 総子が生死を彷徨ったのは事実だ。

 意識も切れ切れの最中(さなか)、彼女は医者になつみを騙すよう頼んだ。医者も驚いていたらしい。

 今や教え子ではない、まして家族や恋人でもないなつみのために、迷わず身を投げ出した。総子は、仮に助からなくても幸せだったとなつみに話した。



 こんなに愛されてる人を守れたなら。私は死ぬ瞬間まで芸術家であり続ける。だからなつみの写真を待つ皆さんに、私はなすべきことをしただけ。





「何で……連絡くれなかったの。私だって、もう会えないって……」

「寂しかった?」

「そんなんじゃ済まないよっ……」



 美優の光はなつみだけだ。彼女のいない世界など、憎しみの対象でしかなかった。


 こんなにも美しい人を見捨てた世界。

 美優に生き地獄を与えただけの。


 そして美優は最愛の人を愛しきれなかった自分を苛み、生きながらに業火に炙られ、呻吟していた。
/269ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ