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セルフヌード
第1章 秘密の快楽
「…──っ、……」
女がはっと息を飲んだ。
一切の着衣を放棄した、おとがいから下腹。
硬骨に筋肉を持ち上げた所以に突っ張った顎の張り方は、女体のあるじの人となりを物語り、極薄の皮脂を刷いた喉、妖艶なしとりに浸した鎖骨は目も眩むほどのハリがあり、二つのほくろが落ちている。ふくよかに広がる丘陵の頂きで惜しむことなく曝け出されたサーモンピンクの二つの輪っかは、ぷくんと艶めく子豆を飾る。おそらく鍛練を欠いた腹部は、きわどいところで肉づきをとどめ、へそから下方に繋がる期待を、優艶な線が煽り立てる。
同期達は言葉をあぐねていた。
かけるべき言葉を見失うだけの息差しが、どこの女かも甄別しかねるセルフヌードに目を奪われた女の時間を、凍結させていたからだ。