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食べてしまいたい
第2章 刺激のない日常
「心配…しただろうが」
頭をコツンと叩かれた。
それは優しい痛み。
「電話くらいできるだろう?その年なんだから」
「は…はい…」
不意打ちくらって、ドキドキしまくりのあたし。
しかも、密室。
そして、近い…。
「松川は俺の育てた部下でもあるんだ。そういうのはやめてくれよ?」
―――ズキンと痛む心。
あたしの心は直ぐに変わる。
まるで多重人格のように。
「わかりました…。迷惑かけてすみません」
「気をつけてくれよ」
そう言って出て行った後ろ姿は、逞しい彼の姿と重なって見えた。