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食べてしまいたい
第1章 はる姐
今までこんな縁なかったからなー…この空間にはちょっと抵抗ある。
「七菜、せっかくだから話聞かせてよ」
「な、何?」
「やけ酒レベルだからさ。恋愛?」
すごいね、やっぱ中性にいる人ってなんでもわかるんだ。
「はい、お酒。さ、言いたいこと話してみな」
「私、仕事の上司の方が好きなんです」
至って真剣。
目を見て、私の話を聞いてくれた。
「でも、全然脈なし。他の子に贔屓したりっていうのもなくってね。読めないんだよね」
あたしの癖、辛いのに笑ってしまう。
「顔、全然笑ってないわよ」
思わずドキッと胸が不意に鳴った。
「まず話したりしてる?仕事の話以外で」
「してると…」
言えなかった。