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食べてしまいたい
第5章 真実は嘘
「先輩。本当に北原さんが好きなんですか」
本当に…か。
好きだからこんな思い…していたんだ。
あたし、なんで辛くないの。
「…認めたらいいんじゃないですか。自分に厳しいのかわかりませんが」
いつもの甘い顔した彼女ではなかった。
本気で立ち向かう…、まるで何かを仕留めるような勢い。
「二股とかないですよね?」
「それはない!」
きっぱり答えると何故だかすっきりした。
あたしも、いつまでも引きずってるわけにはいかない。
「とにかく…元気戻してくださいよ…私もいろいろあるんですから…」
「そうだね。…ありがとう、玲ちゃん」
元ライバルにありがとうという感謝の言葉。
はる姐と出会ってなければ、どうなっていただろうか。
久しぶりに行ってみようかな。
会いたい。
…そう思った。
少しだけ、不安もあった。
あんな時にあたしが消えたから…
そう思って気が引けて行けなかった。