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食べてしまいたい
第5章 真実は嘘
「お疲れ様でしたっ」
静かに、そう言って礼して出ていった。
最近連絡ひとつなく、ただ平凡な日常を繰り返していた。心配とか北原さんの話とかされるって思ってたのに、そんなことは一切なかった。
「6時……」
まだお店は開いていない時間だけど、大丈夫だろう。まだ暗い、だが扉に何か貼ってある。
「暫くの間店を閉めます」
こちらにもまた唖然だった。
そんなことは聞いてないのはもちろん、暫くの文字に嫌な予感がした。
まさかと思い、彼の電話にかけてみた。
2回…3回とコールされるたび、心臓が高鳴る。お願い……心臓持たないから早くでて!
「お留守番サービスに接続します……」
虚しく流れたのは固定されたお留守番サービス。
もう1回……かけてみよう。
もう1回、はる姐の電話をかけた。