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食べてしまいたい
第5章 真実は嘘
「えらいこっちゃぁ…こんなことなんてあるんやな」
ふと後ろから声が聞こえて驚いた。
振り向くと、スーツの似合った大阪弁で話す男性だった。
「…ん?おねえちゃんも、ここの常連やったりするん?」
「常連ってわけではないんですけど…」
「そっかそっか!んで、今日はたまたま来はったんやな」
こくりと頷いた。
「電話してみっか」
「あっ…さっき出なかったんですけどっ」
「まあまあ…1回やってみるだけやで」
そう言って彼はスマホを耳につけた。
あたりは静かなだけあって、コールの音が若干聞こえる。
「…やっぱでえへんかな」
たぶん、3回目のコール。
「あ、春斗か!」
案外あっさりとしていた。
「はぁ?なんでそんなとこおるねん…。あぁ、まあわかった。今からそっち行くわ」
通話はかなり一瞬に近かった。