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食べてしまいたい
第5章 真実は嘘


男へと豹変した彼は、さりげなく言った。
いつの間にか、上にいたはずなのに逆転され、覆い被せられていた。

「ねぇ…早く好きって言いなさいよ…」

頬をすりすりと撫でながら、彼の熱い視線を食らう。

「…待っ…まだ心の準備がっ!」

「そんなの関係ないわよ…言わないと寸止め」

「やだっ…欲しいっ」

彼の細からず立派な腕にしがみつきながら、彼を見つめる。

「…好きじゃないの?」

「…すっ」

「あたしより、あの上司が好きなの?」

「違うよっ…すきっ…」

あたし、絶対赤面だな。
そう確信した。


「あぁ…あんたってやつは…」

「ひゃあっ」


首筋に顔を突っ込まれて、赤い花を咲かせた。

「…あたしのモノって印…いいでしょ?」

「ちょっ!こんな見えるとこにキスマークつけないでよ!」

「見えなきゃいいってことね」


腕に掴んでいた手を拘束されて身動き出来なくなってしまった。


「…早くしようか」

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