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食べてしまいたい
第6章 嫉妬
会社なんか行きたくもなかったけど、時間は勝手に進んでいくもの。
気づけば出勤してから三時間以上たっていた。
「今日はぼぉーっとしてますけど大丈夫ですか?」
強気な彼女には変わりはない。
でも、本当に心配してた。
「あぁ、玲ちゃん。大丈夫よ」
ふうと一息はいたときだった。
「松川ぁ、これ頼んでもいいか?」
北原さんだった。
だけど、あの前に見えた時よりも元気がないように見えた。
「…松川?」
「あっ、すみません。北原さん具合悪くないですか?」
「全く…ないが?」
「あっ…なんかすみません。仕事しますね」
気のせいだったのだろうか。
前ほどキラキラしているように見えない。
「…なんですか、まだ狙ってるんですか?」
「違うってば…本当に好きな人できたの!」
ふふんと、口元を緩めた彼女はなんてやらしいんだろうか。悪いことしか考えられない。
「そうなら別にいいですよ」