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食べてしまいたい
第6章 嫉妬
彼女は可愛かった。
長い髪を緩く三つ編みで縛り、優しい顔つきだった。
あの一瞬でさえ感じる。
「七菜っ!」
涙をこらえつつ走っていたあたしの後ろに彼はもういた。
こいつ、病人か?!ってぐらいのスピードであたしを捉えた。
「違う、間違ってないわよ」
「はぁ?何よ!あの状況見たら誰でも腹立つでしょ!」
「状況って言ったって…手を繋げてただけじゃない」
恋は一種の病。
そんな言葉が頭をよぎる。
「だめ…。許せない…あの子と触った手は嫌」
あたしも相当こじれてきてる。
もう、入院してもいいんではないかというくらい。
「…七菜、本気で言ってるの?」