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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
「不思議だわ」
「星状青玉(スター・サファイア)というそうだぞ。ひと口に青玉といっても、様々な色がある。よく知られているのは蒼色の石だが、このような薄紅色や紫、黒などもあるそうだ」
 承平が得意げにたった今、店主から伝授されたばかりの受け売りの話を披露する。いつものようにそれを指摘して茶化すようなことはせず、薫子は微笑んだ。
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