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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
「そなたはどんな願いをしたのだ?」
 薫子が上目遣いに承平を見た。
「知りたい?」
「もちろんだ、知りたい」
 薫子が笑った。
「じゃあ、教えてあげない」
「うっ」
 承平の顔が更に染まった。
「そなた、俺を一体誰だと思って―」
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