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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第12章 誤解の始まり
 母を見送った後、帝は続く女の一団に眼を止めた。二十歳ほどの妙齢の姫君が立っていた。先刻の皇太后とは対照的に山吹色を主とした十二単に身を包んだ姿はさながら、あと少し経てば早春に花開く水仙のようなたおやかさである。
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