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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第12章 誤解の始まり
 心で呟く帝とその後から静々と従う栄子を栄子お付きの女房たちは意味ありげに眺めている。帝と栄子が二人だけで親しげに別室に消えた―その報告はすぐに病床の通嗣とそれを見舞う皇太后に届けられ、二人が満足そうに笑みを交わしたのはもちろんのことだった。
 
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