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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第12章 誤解の始まり
 強面に似合わず甘い物好きな諸綱は早速、高坏に盛られた美しい干菓子を手に取り頬張った。
「尚侍はお健やかにしておいでかな?」
 父の問いに、薫子は笑顔で頷く。
「はい、お陰さまにて息災に過ごしております」 
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