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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第14章 満月の初夜
 帝の愛馬〝月雲(つきぐも)〟は真白な毛並みの美しい馬だ。薫子をその月雲の前に乗せ、帝は颯爽と走った。少し離れた背後から源惟任が鹿毛の逞しい馬で付いてくる。
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