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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第14章 満月の初夜
―ええい、散歩にまで付いてくるというのか? 無粋なヤツだな。
 蔵人頭が護衛に付いてくるのを知り、帝は本気で機嫌を悪くしていた。だが、生真面目な蔵人頭は表情一つ変えず
―おん大切なる御身に何かありては一大事でございますゆえ。
 と、律儀に応えていた。
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