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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
 このような場合、頭部を強く打っている事もあり得るので、あまり動かさない方が良い。薫子はしゃがみ込み、男の手を取って脈を確かめた。
 大丈夫、脈はしっかりとしている。この分であれば、今すぐ生命に別状はなさそうだ。かなりホッとしているところに、背後から女が泣きながら走ってきた。
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