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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第3章 噂の姫君
「申し訳ございません、義母(はは)上さま。久しぶりに眼にする懐かしい我が家の風景につい時間を忘れておりました」
 四十歳を前にした今も義母は若々しい。取り立てて美人というタイプではないが、昔から歳よりは若く見える人だった。
「そろそろ、この屋敷に戻ってきてくれても良いのではありませんか、姫」
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