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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第3章 噂の姫君
 夜半、西ノ対が騒がしいのに気付き、目覚めた。布団から出て渡殿に控えているはずの女房を呼ぶ。
「どうしたの? 何かあったの」
 西ノ対は姉の住居がある一角だ。ちなみに、薫子の居室は東ノ対にある。呼ばれて現れた若い女房は蒼い顔をしていた。
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