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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第4章 入内の勅命
 姉はその科白をどのような想いで聞いただろう。せめて最後は側についていてあげたかった。手を握りしめてあげていたかった。
 姉は朝食を共に食べたいと望み、薫子は近江からそれを聞いたからこそ、屋敷にとどまった。なのに継母は姉に嘘をつき、薫子は屋敷にいないと告げたのだ。
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