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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第4章 入内の勅命
 実のところ、姉が危篤状態になった時、もちろん父もその場に居たのだ。近江によれば、継母が姉に
―薫子は屋敷におりません。
 虚偽を伝えたときも、継母の隣にいた父は顔色を変えたそうだ。
―二の姫は屋敷におるではないか!
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