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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第5章 真実と恋心
 入内した当日は夜であったため、帝との対面は翌朝となることが伝えられた。実のところ、入内したその夜にお召しがあるかと怯えていた薫子はどれだけ安堵したか知れたものではない。
 自分は女官として後宮入りしたのだと言い張ってみても、周囲がそうは見ていないのはいやというほど判っている。そんな状況で帝の寝所に招かれたら、拒むことはできない。
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