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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第5章 真実と恋心
 後宮第一日めの夜はこうして不安の中に過ぎ、なかなか眠れなかった。途中で承平のことを思い出しては泣いたため、翌朝、眼は真っ赤に腫れ上がり、近江初め側仕えの女房たちは眼の泣き腫らした後を隠すのに化粧を必死でしていた。
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