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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第5章 真実と恋心
 これから帝に逢うというのに、瞼に浮かんでは消えるのは承平の顔ばかりだった。まるで今すぐに屠られる兎のような気持ちでうなだれ、帝を待った。少し前方に立派な御帳台がある。恐らく、出座された帝はあそこに入られるのだろう。
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