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第5章 真実と恋心

気分転換をしたくて内裏を飛び出して町に出たんだ。その時、たまたま馬に蹴られそうになった子どもを見て、咄嗟に飛び出していた。そこから先はすべて薫子も知っているとおりだ。それから、承平というのは偽名ではない。俺の名は承平(つぐひら)というんだ」
　薫子は押し黙った。確かに彼の言うとおりだ。三日も意識不明になる怪我は下手をすれば死に繋がっていた。