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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第5章 真実と恋心
 控えめに言上すれば、帝は穏やかな笑みで頷いた。入内した翌朝に見せたあの冷酷な表情が嘘のようだ。やはり、薫子が出ていゆこうとしたから、帝が気を逸らせたのだろうか。だとすれば、年若い帝を激情に走らせてしまった一因は薫子にもある?
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