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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
 薫子はまた言葉を選んで言った。
「あなたの人生はあなたのものでしょう。そう言えば良いのよ。あなたは別にお母さまやお祖父さまのために生きているわけじゃないんだから。もしかしたら、それはお母さまやお祖父さまの期待を裏切ってしまうことにはなるかもしれないけれど、それは一時のことだわ。あなた自身が頑張って自分の選んだ道は間違いではなかったと証明して、大切な人たちを安心させてあげれば良い」
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