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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第7章 胸騒ぎの予感
 二人の武官はそれとは知らず、当時警護していた仲閒とその酒を分け合い、過度の緊張を強いられるこの任務もいよいよあと二日で終わると互いの労をねぎらい合ったという。
―何の髭切なんぞ、たいしたことはないではないか。天下の大盗賊というが、流石に天子さまのおわす禁中にまでは畏れ多すぎて入ってこられないのよ。
―おうよ、この物々しい警備に怖じ気づいても逃げちまったのさ。
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