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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第8章 天下の大義賊
「俺はそれがまた許せんのだ。よもや味方内から裏切り者が出るとは。それでは幾ら物々しい警備をしいたところで無駄な努力ではないか。何故、その程度のことに気づけなかったのか、己れの浅はかさに呆れる。そのように読みが浅いゆえ、たかだか盗っ人にしてやられるのだ」
 薫子が微笑み、力づけるように言った。
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