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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
「何だ、あれは」
 承平の視線を辿れば、四つ辻で旅の大道芸人が芸を披露している。縦も横も半端でなく大きな禿男が口から火を噴いているかと思えば、次は十歳くらいの愛らしい女の子が器用に両手で皿回しをした。
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