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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
 彼らが去った後、青龍はその場に立ち尽くしていた。
「人は誰も運命からは逃れられぬ。この国の若き皇帝よ、汝は何ゆえ、その高貴なる御身でそこまで苦しまれるのだ―」
 青龍は知っていた。既にその高貴なる龍はいずれ共にこの国を背負って立つことになる鳳凰とめぐり逢っていることに。
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