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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
 皇帝たる龍と対になるべき鳳凰はまさしく皇后であり、皇帝の唯一無二にしてただ一人の伴侶であり正妃である。
 青龍はその場に端座し、唐では皇帝に対する最上級の拝礼を行った。それは五体投地を数回繰り返すもので、まさしく承平が立ち去った方向に向かって捧げられていた。
 青龍の声から逃れるかのように、承平は早足に歩き続けた。
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