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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
「主人(あるじ)、これを一つくれ」
 どうやら簪を買うつもりらしい。承平が懐から巾着を取り出した。側で見ていると、信じられない光景に面食らうことになった。何と彼が取り出したのは小さな金塊であった!
「承平さん」
 薫子は慌てて彼を物陰に引っ張っていった。
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