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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
「店主が言っていた。これは何でも天の星が玉石の中に閉じ込められているのだそうだ」
「天の星が石の中に?」
「そうだ。ほら、見てみろ」
 言われて覗き込んでみると、手のひらの酔芙蓉が薄紅から少し色の深みを増したように見える。
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